タフらいと誕生物語【はじめに】(4)

設計寿命の謎??

<ここまでのまとめ>
  半永久的に光ると言われたLED素子ではあるものの、それを光らせるための電流を供給する電子回路に寿命があるLED電球。中でも、電気を蓄えるダムの役割の電解コンデンサーという部品が、構造上、そして、電解液を使用するという原理上、寿命が決められており、その寿命は、LED電球のような高温になる場所に組み込まれると、飛躍的に短くなるという特性を持っていました。
しかし、他のコンデンサーを用いると、今度は電気を蓄える力が弱く、電圧(電流)が一定にならず、フリッカー(ちらつき)という現象を引き起こし、そして何よりも材料費が高騰してしまうという問題がありました。

 この原理は、LEDに携わっている人であれば、100%の人が知っている事実で、そしてどうしようもない現実でした。
そこで、各社ともLED電球に熱がこもらないように、電解コンデンサーに熱が伝わらないようにと必死で考えました。これが、『熱設計』という世界です。
あるメーカーは、車のラジエーターのようなフィンをつけました。あるメーカーは、それに扇風機のようなファンまでつけました。

 あるメーカーは、4層基板を用い、高密度実装で電解コンデンサーをなくしました。しかし、コスト高とちらつきの問題があったためか、しばらくして市場から姿を消しました。(実際、結構ひどいレベルのちらつきでした)

 このように、LED電球はせっかく交流で使えるようになったにもかかわらず、十分な明るさを確保する事が出来ず、最初は、白熱電球の10~20Wぐらいの明るさの商品しか出来ませんでした。

 しかし、市場は、より明るい商品を求めました。そして当たり前のようにLEDなのだから長寿命は当たり前、と技術的な課題は(当然ですが)顧みられる事もなく、競争は激化して行きました。

 中でも、寿命に関して最も激烈な競争に入った市場がありました。それは、日本です。深刻な電力事情にあった日本は、人々のエコ意識の高まりもありLEDの市場が急速に立ち上がりました。そしてそこに目がけて、台湾、韓国、中国企業が参入してきたのです。

 価格的に優位に立ちにくい日本企業が打ち出したのが、品質=寿命の長さです。
この分野で差別化を図りに行きました。そこで確立されたのが、日本でのスタンダードであり、そして世界でも類い稀な『設計寿命4万時間』というコンセプトです。