タフらいと誕生物語【第4章】(3)

誕生そして挫折

 そして、こう思った。『これは、間違いなく売れるだろう。皆が喜んで買い求め、業界内でもきっと有名になるに違いない。なぜなら、本当に半永久的に光るかもしれない人類の希望の光なのだから!』
 私の夢想は、どんどん広がっていった。なにしろ、捨てられることもなく、資源の無駄遣いもない、電気消費も少ない、まさに21世紀型の照明なのである。

 しかし、間も無く私は、世の中の現実の厳しさを痛いほど思い知らされ、またもや、あっという間にそんな夢物語は打ち砕かれる事になる。


 現実問題として、私はすぐにその完成したサンプルを世の中にお披露目しなければならなかった。形にできた以上、わざわざ、価格以外に興味がない中国のメーカーに持っていく必要もないと考えた。
 そこで私は、作るためではなく、この技術を世の中に広めてくれる販売面のパートナーを探す必要があった。しかし、これほど特徴があり、現在の業界の課題を解決する事ができる商品であれば、噂が噂を呼び、すぐに市場に広まるのではないか、そんな楽観的な期待を持っていた。
 そこで、知人の、知人の、知人の紹介のような形で、LEDの販売をしている方と巡り会い、彼のルートで紹介、販売活動をしてもらうことになった。

 早速、数個の商品サンプルを彼に渡し、今か今かと良い知らせを待っていた。しかし、全く何の連絡もこない。しびれを切らして、督促のメールを入れても、『現在、紹介している』の一点張りで、その後、なんの音沙汰もないという状態が続いた。

 その間、多少の注文は来たものの、また、音信不通の状態が半年ほど続いた。私は何が起こっているのか全く理解できなかった。

「なぜ売れないんだ?」

苛立ちとともに焦りが出てきた。
「説明が十分ではなかったのか?」「無名ブランドだからなのか?」「やはり価格なのか?」「代理店へのマージン等の条件が悪く、真面目に販売活動してくれていないのか?」

 いろんなことを考えたが、海外でただ待っているだけでは、理由もわからず、自ら動きをかけることができず、ただただ、確認の電話とメールをして、待っているしかなすすべがなかった。